大英博物館でこどもお泊まり会

ミュージアムに子どもたちが楽しく過ごすためにはどのようなことができるのでしょうか。

こども家庭庁が日本にできて子どもが中心の社会を実現しようと政府をあげた取り組みが進み始めています。

国立科学博物館では「こどもファスト・トラック」といった取り組みを行い、優先的にこどもがいる家族が入場できるような仕組みを試験的に導入していたりします。

このような取り組みだけでなく日本中の色々なミュージアムでこどもが楽しめるためのイベントは色々と行われています。

今回の記事では日本だけでなく、海外のミュージアムではどのような取り組みが行われているのかについてご紹介したいと思います。

目次

大英博物館でお泊まり会

ロゼッタストーンやモアイ像で有名な大英博物館ではこども向けのイベントとして大英博物館の中で一晩を過ごすことができるお泊まり会を定期的に実施しています。

こども達は少し暗がりのいつもとは違う雰囲気の大英博物館の中で展示作品を見るだけでなく、様々なワークショップを通じて普段は経験できないような特別なミュージアム体験をすることができます。

大英博物館は世界中の様々な作品が展示されています。

各展示室は地域や時代毎にテーマ別に分けられており、お泊まり会もその展示室のテーマ別に開催されています。

年齢は8歳から15歳を対象にしており、保護者として家族も一緒に宿泊する必要があります。

写真は少し暗がりの中でエジプトの石像を観察している風景です。

このように普段の展示室では実現できないような間近で観察したりすることができるのはこのお泊まり会の醍醐味です。

大英博物館はお泊まり会の醍醐味を次のように説明しています。

  • 博物館のコレクションについてもっと知ることができる

お泊り会では、普段の展示室ではスタッフが博物館のコレクションや特別展示についてより詳しく解説をしたりする機会があり、こども達はコレクションのことをさらに知る特別な機会を得ることができます。

  • 博物館のギャラリーで宿泊

博物館のコレクションを間近で鑑賞したり、日没後は例えば古代の王、ファラオ、寺院、墓に囲まれたエジプト彫刻ギャラリーに滞在することができるという特別な体験ができます。

  • 楽しいアクティビティに参加する

工芸品を作るワークショップから読み聞かせやゲームまで、私たちのお泊りアクティビティは、過去の文明、祭典、工芸品、歴史的出来事について楽しく学ぶことができるように設計されています。

このようにミュージアムにただ宿泊するだけでも特別なものになるのに、楽しいアクティビティを体験できるということでより豊かな時間を過ごすことができるプログラムになっていることがわかります。

次に実際にどのようなプログラムが実施されているのかについてご紹介したいと思います。

お泊まり会:日本の旅編

大英博物館では浮世絵などの日本の作品がたくさんコレクションされています。

今回はその日本のコレクションをテーマにしたお泊まり会がどのようなイベントだったのかを詳しくご紹介します。

お泊まりをする前のアクティビティは次のようなものが用意されていました。

  • 扇子を作ろう
  • 和風おやつを作ろう
  • 自分のマンガのキャラクターを描きます

どのプログラムもこども達が簡単に楽しめて日本の文化を楽しめるプログラムになっているんじゃないかなって思いました。

また、日本舞踊を習うアクティビティも実施されました。

最後に寝る前のプログラムとして映画上映会がありました。

上映された映画は「もののけ姫」、「となりのトトロ」といったジブリ映画、また変わったところで行くと黒澤明監督の「7人の侍」といった歴史を感じることができる映画も上映されました。

博物館の展示を楽しむだけでなく日本の文化をアクティビティを通じて手を動かしながら感じることで記憶に残る素敵な思い出になると考えられます。

また、ジブリ映画のようなみんなが夢中で楽しめる動画を映画館でなくミュージアムで楽しめるのはこども達にとっても楽しい時間になるのではないでしょうか。

ちなみに参加費は一人50ポンド(約1万円)という価格設定になっています。

まとめ

今回は大英博物館で行われているお泊まり会について紹介しました。

ミュージアムで泊まれるのはこどもにとっては忘れられない思い出になりそうですね。

また、展示を鑑賞するだけでなく、映画を見たり、アクティビティで体で体感することで色々な刺激から楽しい体験ができると思います。

日本でも色々な取り組みが行われていますがどうしたらこどもにとってかけがえの無い経験になるのかを考えた楽しい企画がもっと増えてくるといいなと思います。

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この記事を書いた人

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ミュゼオロジスト。
普段はミュージアムの中の人です。
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