2025大阪・関西万博の跡地に国立デザインミュージアムをつくる

2023年も半年が過ぎて2025大阪・関西万博まであと1年と半年となりました。どのようなパビリオンができるのかが楽しみでなりません。

また、万博跡地の開発についてもカジノなどの統合型リゾートが作られるような報道があったりします。

私が無知なだけで既に跡地がどのようにデザインされるかは決まっているかもしれませんが、この記事では2025大阪・関西万博の跡地に国立デザインミュージアムをつくるという案について考えてみたいと思います。

この国立デザインミュージアムをつくるという考えは私のオリジナルではなく、既に国立デザインミュージアムの実現に向けて一般社団法人Design-DESIGN MUSEUMが活動していたりします。

一般社団法人Design-DESIGN MUSEUM

https://designmuseum.jp/

これまでに何度も一般社団法人Design-DESIGN MUSEUMはシンポジウムなどを開催しており、どのような国立デザインミュージアムを作るといいのかについて議論されています。

こちらで議論されている内容を拝見すると設立場所は東京が良いのではと紹介されていたりするのですが、私は個人的に2025大阪・関西万博の跡地に建物はつくるのがいいのではと考えたので今回の記事ではその理由について書いていきたいと思います。

目次

なぜ万博の跡地が良いのか

関西近郊にお住まいの方であれば万博公園のことは御存知の方も多いかと思われます。

先の大阪万博が開催された跡地は現在、万博公園という名前で多くの人に親しまれています。

この公園の一番の注目は言わずと知れた太陽の塔です。こちらは先の万博でも会場の目玉となり、本来は万博終了に伴い撤去される予定でしたが多くの人からの要望もあり現在も万博公園を象徴する存在になっています。

話は少し逸れましたが実は現在の万博公園には太陽の塔以外にも多くの見所があり、その中に国立民族学博物館と大阪日本民芸館があります。

この国立民族学博物館は万博公園の跡地利用を決める際に文化公園とする基本方針を打出し、その中心施設として従来から要望が高かったため設置が決定された経緯があります。

国立民族学博物館は本館の展示に地域展示と通文化展示の大きく分かれています。地域展示ではオセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、日本を含むアジア各地域に分かれ、オセアニアから東回りに世界を一周するようになっています。また、通文化展示は地域、民族毎に分けての展示ではなく、音楽と言語など世界の民族文化を通じて概観する展示があります。

国立民族学博物館

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E6%B0%91%E6%97%8F%E5%AD%A6%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8

このように世界各地の民族学を表す作品が展示してある館内は1日で周りきるのは無理なのではと思うくらいとても広い展示室を有しています。

また、大阪日本民芸館は先の万博にパビリオンの一つとして建てられたものになります。

万博開催時には第1展示室に全国各地の古い民芸品、第2・3展示室に伝統技法を継承した新作民芸品、第4展示室に民芸品の工芸の本質に即した個人作家の新作を展示し展示室内の陳列ケース・椅子・電話台・灰皿などの備品も民芸調のものを用いたものでした。

大阪日本民藝館

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%91%E8%97%9D%E9%A4%A8

このように実は現在の万博公園の中には2つもミュージアムが現在も運営されています。

一つは万博のパビリオンがきっかけとなったミュージアムであり、万博のレガシーとして現在も機能しています。

このように大阪にはすでに万博跡地にミュージアムを作ったことがある事例があり、この時の経験は次の万博の後にも活かすことができるのではと考えます。

なぜデザインミュージアムなのか

それは万博というのはデザインとの相性がとても良い催しだからです。

先に述べたように万博公園の中にある大阪日本民芸館は民芸と呼ばれる普段使いの生活用品の中にあるデザイン性の高いものを展示しています。これは日本の生活文化を海外に紹介するのに一番分かりやすい展示物になると思います。

次に開催される万博でも日本の現在を知るためにデザイン性の高い日本の生活用品の展示があるかもしれません。

そのパビリオンに集められたものを展示し続けるためにも国立デザインミュージアムが作られることは意義があるのではないかと思います。

また、大阪には1年前に大阪中之島美術館がオープンしました。

この大阪中之島美術館は19世紀後半から現代までの美術とデザインを専門とした美術館になっています。大阪は産業都市であり、常にデザインというものが日常的に考えられてきた土地だと感じます。

このようなデザインを重視している新しい美術館が万博が行われる夢洲からも近い位置にあることは国立デザインミュージアムができた際にも相乗効果になるのではと思われます。

なぜ国立ミュージアムなのか

国立であるべき理由は収蔵品を収集展示するにあたり、不偏不党の姿勢を持つことができるからです。

現在、大阪には先述した通り、日本のデザインを大事にしているミュージアムが大阪日本民藝館と大阪中之島美術館の2つあります。

これら2つのミュージアムはそれぞれの関連団体が大阪日本民芸館が民間主体、大阪中之島美術館が大阪市が主体となっている。

このようにすでに大阪にあるデザインミュージアムは民間と地方公共団体が主体となって運営されていることから国立デザインミュージアムが完成すれば民間と地方と国のミュージアムが揃い連携からの相乗効果が見込まれるのではないかと考えます。

また、国立であれば、地方や民間問わずデザインに対して日本全体を俯瞰した立場から収集や展示をすることができる。

海外からの見込み客を多く想定している夢洲エリアに日本のデザインを知ってもらえるような施設があることは日本のデザインを発信していくうえでも良いのではと考えます。

まとめ

このような理由から国立デザインミュージアムを2025大阪・関西万博の跡地につくってはどうだろうかと提案してみました。

もう少しリサーチが進んだらより深く、勝手にアイデアを膨らませてみようかと思います。

ただ、実現できるかどうかで一番大切な事は大阪・関西にお住まいの方の多くが国立デザインミュージアムをつくりたいと思う気持ちが高まることです。

そのような機運が少しでも盛り上がればと思いますので引き続き発信を続けていきたいと思います。

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この記事を書いた人

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ミュゼオロジスト。
普段はミュージアムの中の人です。
ミュージアムの楽しさを多くの人に知ってもらいたくて発信してます。
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